予定もない寒い休日なら、護の家に行って、護とくだらないおしゃべりをしたい。

 冬には、護のおばあちゃんが白玉入りのおしるこをよく作ってくれる。

 『護の方が白玉が1コ多い』って訴れば、『はい、はい』って、護は自分のお椀から私のお椀に、白玉を1コ入れてくれたりする。

 護の家族は、私のワガママを気にする風でもなく、『仲よしねー』って笑う。

 私を甘やかしてくれる人たちなのだ。

 口の中が、甘ーくなる気がした。

 公園に行きたくない…護ん家に行きたい…

 私は頭をフル回転させて、言い訳を考える。

「その日は、友達とバレンタインチョコを作るかも。まだ予定は決まってないんだけど…」

 ウソではなかった。

 去年、恭子たちとガトーショコラを作って、その場で食べた。みんなでお小遣いを出し合ってキットを買ったので、難しくなくておいしく作れた。

 『来年はチョコブラウニーにしよう』って言ってたから、今年も女子だけのバレンタインパーティーを開くことになると思う。