翌日、恭子は楽しそうに聞いてきた。

「佐藤君、なんで正門で待ち伏せしてたの?」

「あれ? 何でだろ?」

 昨日の護との会話を思い出す。

 新しいメガネを見せびらかしたかった? 『本気だす』って宣言したかった??

 あっ、走って逃げちゃったから、肝心の用事を聞きそびれたのかも…。それなら、私から護に聞きに行った方がいいのかな??

 ううん、そんなこと、できるはずがない! またおかしなことを言われたら、たまらない!

「…すぐ近所に住んでるし、学校以外でしょっちゅう会ってるのに、何考えてんのか、さっぱりだよ」

「佐藤君はどうして見た目をあんなに変えたの? その訳は聞いた?」

「聞いたけど、何だっけ…ひいおじいちゃんが亡くなったことと、関係あるような…ないような…」

 恭子は不思議そうにしている。

 話している私の方も、訳が分かっていないのだ。聞いてる恭子なんて、なおさら、わけワカメなんだろうな…。