うわー、玲奈、怒ってんなー。

「護があんな作文を書くから、私まで注目されちゃってるんだよ!」

「気にし過ぎ。春休みの間に、みんな、興味をなくしてるよ」

 だって、あのホワイトデーのデートで呪いが解けるなんて、思ってなかったんだから、仕方ないじゃないか。

 本当は、デートでオレのこと本気で好きになってもらってから、その後すぐにオレの作文を読ませて、オレを生涯の伴侶に選んでもらう計画だった。

「もう、完全に黒歴史になっちゃったじゃないっ!」

「そう? オレと別れたら黒歴史になるんだろうけどさ、結婚したら、そうでもないんじゃない?」

「いやー、キョウハクみたい!」

「玲奈、オレたち、まだ14で結婚もできない年齢なんだから、それはとりあえず置いておこう。それよりも、春休みなんだから、2回目のデートしようよ。またカップルが幸せになれるジンクスがあるところへ行かない?」

 呪いは解けたけれど、ジンクスのスポット巡りは続けよう。

 呪いが解けたことを、玲奈に話してないからってのもあるけれど、呪いが真実だったんだ。ジンクスだって本物かもしれない。

 すぐに機嫌を直して、コクンとうなずくオレの幼なじみで彼女、やっぱりかわいい…



おしまい