私は、開いた口がふさがらなかった。

 護、アホ過ぎるっ! 立志式の作文に、普通、こんなこと書く??

 先生も先生だ。『真面目に書きなさい』って、注意しないの??

 私を含めて大多数が、書き直しを要求されたのに…。

 『勉強をがんばって、志望高校に合格したいです』がダメで、護のこんなアホな作文はオッケーだなんて、納得できない。

 でも、そのとき、国語の先生の顔が思い浮かんだ。こういう作文、好きそうで、面白がりそう…。そういう先生なのだ。

 そう言えば、護が下書きの余白に『素直、かつ大胆でいいですね。応援しています!』ってコメントを書いてもらったとか言ってた。

 先生、『応援しています!』って、まさか、私たちの結婚式に招待されたいわけじゃないよね??

 護の『幼なじみ』が私だと結びつく人って、この学年にどのぐらいいる??

 私は背筋がゾッとした。