終業式の3日前、文集が配られた。立志式を迎えるにあたって書いた、あの作文集だ。

 全面、書き直しまでして、がんばったんだよね、私。

 文集をペラペラめくった。

 書いてる最中は、みんな、ブーブー文句を言っていたのに、こうして見てみると、どのページも、丁寧な字でびっしりマスが埋められている。

 そうだ、護はどんなことを書いたんだろう??

 2組だから…あっ、あった!

 …なっ、何これ?

 眼玉が跳び出たんじゃないかってぐらい、びっくりしてしまった。

 みんな、これ読むのかな?

 ううん、他人の作文なんて、そんなに興味ないよね…よっぽど親しい人しか読まないはず…

 そう自分に言い聞かせたものの、ちっとも心は静まらなかった。

 どうか、どうか、みんな読まないでくださーい!!

 私は祈って、祈って、祈りまくった。