「なあ、ひいじいさんの仏壇に報告したいことあるんだけど、そんときに玲奈に隣にいてほしいんだ。いつでもいいから、うちに来てくれない?」

 いつものようにいっしょに下校しながら、オレは玲奈に頼んだ。

 もうすっかり『いつものように』と言えるようになった。

「うん、いいよ。今週末にでも行くよ。私にもお線香あげさせてね」

「あとさ、オレたちのこと、家族に言っていい?」

「えっ、もう知ってると思うよ?」

「はっ!? 何で??」

「水族館に行った日、私たち、手つないで帰ったでしょ? あれ、お母さんに見られてて…問い詰められて、私、言っちゃった。だから、私のお母さん経由で、護ん家も知ってるんじゃないの?」

「玲奈ー、そういうことは教えろよ」

「だって、どうせ護は気にしないっていうか、家族にオープンに話すんだろうなって思ってたから。さっき『家族に言っていい?』って聞いてきたってことは、ほら、やっぱり」

 玲奈が、勝ち誇ったように笑った。

 オレだけじゃなくて、玲奈の方も幼なじみのこと、よく理解してんな…。