呪いを解く方法…それは、『前田家の者が、佐藤家の者を、生涯の伴侶として選ぶこと』だ。

 でもオレのじいさんと玲奈のじいさん、それから、オレの母さんと玲奈の母さん…子どもの代も、孫の代も同性で、ひいじいさんは頭を抱えた。

 そんな中、ついにオレと玲奈が産まれた。

 ひいじいさんは、玲奈から2ヶ月遅れて、オレが産まれた日、泣いて喜んだらしい。

 分厚い手紙には、長々と、そういった経緯が書かれていた。

 そして、最後に、『呪いのこと、後は頼んだ』と結ばれていた。

 オレは、呪いとは関係なく、純粋に玲奈のことが好きだ。

 だから、そのときには、頼まれるまでもない、と思った。

 ただ、子どもっぽい玲奈のことを気長に待とうと、ずっと思っていた。

 玲奈の最も近くにいて親しいのは、間違いなくオレだから、焦る必要を感じていなかった。

 何となく、玲奈が恋愛できるようになったら、自然とオレのことを好きになってくれるような予感もあった。