「うわーっ!! マジで!?」

 護はつないだ手をマジマジと見つめてから、ようやく私の方を向き、破顔した。

 その笑顔から、私の気持ちが十二分に伝わったことが読み取れる。

 ああ、よかったー。

「玲奈は、たった今から、オレの彼女ってことでいいんだよな?」

「そんな改めて聞かれると…答えにくいよ」

「えっ!? もしかして違うの?」

「…違わ…な…い」

「オレは、玲奈の彼氏?」

 口で答えられなくて、私はうなずく。

 護がガッツポーズする。

 目いっぱい喜んでくれていることがうれしい。

 そう思ったときだった。

 パキパキ…パキッ! パリイィーン!!

 何かが割れる音が聞こえた。

 氷? ガラス?? まさか、ゴンドラの窓が割れた???

 私は、ゴンドラを見回したけれど、何ともなかった。

「あれっ!? 何か割れるような音がしなかった?」

「ん? オレには聞こえなかったけど? どんな音?」

「ガラスが割れたみたいな…パリイィーンって音…空耳かな」

「そうなんじゃない?」

 護はニコニコしながら答えた。

 観覧車がのんびりと地上へ私たちを運ぶ。

 私たちはゴンドラから降りて、家の前まで恋人つなぎをして帰った。

 私も護も、頬がゆるみっぱなしだった。