私も正直に、自分の気持ちを伝えないと…

 そのとき、観覧車が頂上に到達した。私たちの座っている席から見える景色が、回転の内向きに変わった。

「護、向かいの席に移動しようよ。反対側の景色の方を見たい」

 私たちは、ゴンドラをなるべく揺らさないように、慎重に立ち上がって、席を変えた。

 つなぐ手も左右が変わる。

 私たちはいったん、手を離した。

 もう1度、繋ぎ直そうとした、そのとき…

 私は緊張でおかしくなりそうなのを必死でガマンして、勇気を出した。

 初めてだったし、護の手が大きくて、スムーズにはできなかった。

 でも、護の親指と人差し指の間に、私の親指を入れて、護の人差し指と中指の間に、今度は私の人差し指を入れて…ゆっくり、1本ずつ指を絡めていったら、できた。

 私には、護みたいにストレートに口で伝えるなんて、できない。

 だから、この恋人つなぎで、私の気持ち、伝わって…。

 護のことが好き。

 護とこれからもずっといっしょに時間を共有したい。

 呪いなんか打ち負かして、護と結ばれる未来がほしい。