私たちの番が来た。

 手をつないだまま、ゴンドラに乗り込んだ。

 護の向かいに座るつもりで、手を離そうとしたら、軽く引っ張られた。

「隣に座ってよ。同じ景色を見たい」

「観覧車って、向かい合わせに座るものだと思ってた」

 今日は、イルカショーやペンギン水槽でも隣に座ったから、もう抵抗がなくなっていた。

 正面の方が逆に恥ずかしいぐらいだったから、素直に、観覧車の回転から外向きに、護と隣り合わせで座った。

 2人分の体重で、ゴンドラが傾く。

 斜め下から景色を見るのも、いいかもしれない。

「ねえ、さっきはどうして、少し待ってから列に並んだの?」

「ああ、それもジンクスねらった」

「ジンクス? どんな?」

「ラベンダー色のゴンドラ…」

 ラベンダー色?

 この観覧車のゴンドラは、パステルカラーをしていて、ゴンドラ毎に色が異なる。

 ベビーピンク、パステルイエロー、ミントグリーン、サックスブルー、それに、ラベンダーだ。