ツヤは赤い着物に着替え、まだ寝ている両親を起こさないよう物音をなるべく立てないように気を付けながら家の外へ出る。まだ日が昇っていないためか、外は薄暗くて肌寒い。
「寒ッ!」
体を震わせたツヤを見て、カスミはそっと自分の着ている羽織をかける。
「姉さん、この羽織は姉さんのでしょ?姉さんが風邪引いちゃう」
「私はいいの。ツヤが風邪引く方が嫌だから」
羽織を慌てて返そうとするツヤに対し、カスミはニコリと笑って返す。ツヤは少し考えた後、カスミの手を優しく握った。
「……じゃあ、手を温めてあげる」
「ありがとう」
二人は家の近くの山の中に入り、釜戸の火を起こすのに必要な薪になる木を探し、協力して拾う。それが終われば、山の頂上あたりに作られた井戸へ水を汲みに行く。
「何でこんな山の頂上なんだよ。もっと村の中心にあったら楽なのに……」
「そうよね。行きはまだ楽だけど、帰りが大変ね」
文句を言いながら山の頂上まで行き、新鮮な雨水が溜められた井戸からつるべを使って水を汲んでいく。持ってきた水瓶はあっという間に重くなっていった。
「寒ッ!」
体を震わせたツヤを見て、カスミはそっと自分の着ている羽織をかける。
「姉さん、この羽織は姉さんのでしょ?姉さんが風邪引いちゃう」
「私はいいの。ツヤが風邪引く方が嫌だから」
羽織を慌てて返そうとするツヤに対し、カスミはニコリと笑って返す。ツヤは少し考えた後、カスミの手を優しく握った。
「……じゃあ、手を温めてあげる」
「ありがとう」
二人は家の近くの山の中に入り、釜戸の火を起こすのに必要な薪になる木を探し、協力して拾う。それが終われば、山の頂上あたりに作られた井戸へ水を汲みに行く。
「何でこんな山の頂上なんだよ。もっと村の中心にあったら楽なのに……」
「そうよね。行きはまだ楽だけど、帰りが大変ね」
文句を言いながら山の頂上まで行き、新鮮な雨水が溜められた井戸からつるべを使って水を汲んでいく。持ってきた水瓶はあっという間に重くなっていった。