そして一週間後、休暇が終わったイヅナたちはギルベルトの屋敷のパーティーホールに集まるように指示され、そこへ向かう。

ギルベルトの屋敷は当たり前だが一週間前と変わらず、ゴーストハウスのような変わり果てた姿をしている。しかし、運良くパーティーホールの場所は無事だったようだ。

「ここに来ると、入団試験や歓迎会のことを思い出すなぁ……」

アレンがどこか懐かしそうに言い、「懐かしむほど昔じゃないだろ」とチターゼが突っ込む。

「あの歓迎会の時に食ったステーキ、うまかったなぁ」

レオナードがよだれを垂らし、ヴィンセントが「汚いよ」と冷めた目を向ける。イヅナはクスクスと笑いながらも、パーティーホールで新しい任務のことについて話があるのかしらと頭の隅で考えていた。

パーティーホールには、他のアレス騎士団の人たちも集められており、入団試験や歓迎会の際には広く感じたホールが狭く感じるほど人が密集している。

「こんなに団員を集めて次はどんな任務なんだ?」

「話があるって聞いたんだけど……」

「ちょっと押さないでよ!」

「誰か私のお尻触った!?」

ガヤガヤと大勢の声が響き、人の群れに飲み込まれてしまいそうになる。そんなイヅナの手を、素早くヴィンセントとレオナードが掴んでくれた。

「はぐれんなよ」

「絶対、この手は離さないからね」