イヅナがそう言うと、ツヤが一瞬で目の前に移動してくる。数日部屋に引き篭もっていたというのに、その運動神経は全く衰えていない。イヅナは反応することができなかった。

「雑魚が一丁前なことを言うんじゃねぇ」

ツヤに指でおでこをを叩かれ、その痛みにイヅナは涙目になりながらおでこを押さえる。その様子を見てツヤは優しく笑った。

「上司命令だ、さっさと休め。しっかり栄養を取って寝ろ。いいな?」

イヅナが頷くのを待って二人はギルベルトとエイモンが吸血鬼を見張っている地下室へと降りていく。

イヅナはその背中を見つめながら、胸元をそっと掴んだ。



イヅナたちがそれぞれ家に帰って休んでいると、ギルベルトの式神が届いて一週間もの休暇が突然与えられた。それを与えられたのはイヅナだけではなく、レオナードたちにも届いていた。

突然の休暇に戸惑ったものの、イヅナはレオナードやヴィンセントと出かけたり、チターゼやアレンと特訓をしたりして過ごす。