気を失った吸血鬼はギルベルトとエイモンによって地下室へと運ばれていった。拘束し、目を覚ました時に理性があれば話を聞き、無理ならば核を破壊するそうだ。

「今まですまなかった。……ここからはあたしにもやらせてくれ」

真面目な顔をしたツヤが寝巻きを脱ぎ捨て、制服に着替える。アレス騎士団、三大戦闘員のツヤ・シノノメが復活した瞬間だ。

「私、私にできることはありますか?」

イヅナが訊ねると、ツヤは微笑んで首を横に振る。隣にいたチェルシーが口を開いた。

「吸血鬼のことは私たちに任せて、イヅナたちは休んで。長い戦闘になったから疲れたでしょ?」

妖との戦いは、昼頃に始まったというのに終わったのは夜を過ぎてからだ。アレス騎士団の勝利で終わったものの、みんな疲弊しきっている。だが、ツヤたちに残ったことを全て任せるわけにはいかないという思いがイヅナの中にはあった。

「私はまだ動けます。お手伝いをさせてください」