「そういえば、湊は部活いつまで?」

「学園祭の準備まで手伝って引退することになってるよ」

「へぇー、お疲れ」

「写真部はどうなの?」


 思わず目を丸くして下津くんを見る。

 意外というか、写真部だったことを初めて知った。

 眼鏡を鼻の下へずらし、下津くんは糸のように目を細める。


「写真部って顔してねーよって顔してるな。てゆーか、写真部だったんだ! みたいな?」


 声が少し不機嫌に聞こえた。目を泳がせながら、苦笑するしかない。


「に、似合わないなんて思ってないよ! 下津くんの部活知らなかったから」


 言い訳にしか聞こえないと分かっていても、黙ってはいられなかった。

 失礼な態度を取ったのだとしたら、申し訳なくて。


「たしかに、樹は写真部って感じないよね。パッと見の印象は、バスケとか?」

「そ、それっ! 運動部っぽい……という意味です」


 あわてて湊くんの意見に乗っかる。段々と声が小さくなって。

 その様子に、下津くんがハハッと声を上げた。