彼女気分になっているみたいで、気持ち悪い?

 返事がこなかったらどうしよう。

 送ったあとに不安になって、後悔しても後の祭り。

 しばらくしても既読にならない。

 日曜だから、どこかへ出かけてるのかもしれない。きっと、そう。

 すぐに見てもらえないのなんて当たり前なのに。

 何度もスマホを確認しては、知らせのない画面にため息を吐いて。結果を待った。

 コンテストの参加者が会場に集められた。審査員代表であるスイーツ専門店のパテシエが話す姿に、固唾(かたず)を呑んで聞き入った。

 今回は審査員特別賞が追加されたという言葉に、会場が騒つく。


「審査員特別賞 旭ヶ丘高等学校」

 喜びと落胆のため息が静かに響いた。


「準グランプリ 暁月山高校」

 隣に立っていた学生たちが高い声を上げて飛び跳ねる。

 顔を見合わせながら、私たちは息を呑んだ。


「第12回高校料理部スイーツコンテストグランプリに輝いたのは……」