緑に囲まれた本殿が現れて、参道の両端には、ここの龍神である狛龍が置かれている。刺すような目と凛々しい髭。
大きく開いた口から見える灯りは、魂を飲み込みそうだと話していたことを思い出した。
でも、なんだろう。他にも何か言っていた気がする。
「結奈ちゃんって、この神社来たことある?」
狛龍の顔を覗き込みながら、湊くんがつぶやく。
「高校生の頃、周さんと……一緒に」
繋がれた手。少し見上げる視線の先に、優しく微笑む口元。光に包まれて、ぼんやりと浮かぶ人物は……彼女じゃない?
本殿の前で手を合わせたあと、通り過ぎる景色をもう一度見た。記憶にあるのは、やはり周さんと並んで歩いた時のこと。自分の覚えは間違っていなかった。
それ以上深く気に留めることなく、軽く会釈をして鳥居を出た。
大きく開いた口から見える灯りは、魂を飲み込みそうだと話していたことを思い出した。
でも、なんだろう。他にも何か言っていた気がする。
「結奈ちゃんって、この神社来たことある?」
狛龍の顔を覗き込みながら、湊くんがつぶやく。
「高校生の頃、周さんと……一緒に」
繋がれた手。少し見上げる視線の先に、優しく微笑む口元。光に包まれて、ぼんやりと浮かぶ人物は……彼女じゃない?
本殿の前で手を合わせたあと、通り過ぎる景色をもう一度見た。記憶にあるのは、やはり周さんと並んで歩いた時のこと。自分の覚えは間違っていなかった。
それ以上深く気に留めることなく、軽く会釈をして鳥居を出た。