この恋を知りたかった。
 明日など関係なく、ただひたすらに君を想い続けて。


 この恋を守りたかった。
 未来なんてあってないようなものだと、心に叫びながら。


 運命に逆らってでも、その手を掴みたくて。消えそうな笑顔を何度も描き足して。


 さよならを待つだけの恋に、恋をして。


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 ーー結奈ちゃんのことが好きだから。ずっと、待ってる。


 ある瞬間、ふと胸に湧き上がる声。

 振り返ってみても、誰かが落とした言葉ではなくて。自分の中だけに聴こえる想像の音。

 とても切なく響く声を、ずっと前から知っている気がする。

 実在するかも分からない。見知らぬ人の告白に、少しだけ勇気をもらっていた。

 こんな私のことを、好きになってくれる人がいるかもしれない。


 臆病でも、恋をしていいのだと後押ししてくれるような神様の声。


 ーーだから、さよならだね。

 もうひとつが聴こえるようになったのは、もう少しあとのこと。