精一杯自分の気持ちを伝えたつもりだったけど、那智くんは黙ったまま。
どうしたのかと顔を覗き込もうとすると、
「…天然なんですか、それ」
と、那智くんがぽつりと言った。
「え?天然ではないですけど…」
と言ってからしまったと思った。天然ってそっち…?
「あんまそれ、男の前で言わない方がいいですよ」
「?」
「だって…嬉しいじゃないですか。自分が一生懸命考えて作ったメニューが…気になってる人に全肯定されるなんて」
「え!?」
気になってる人って…もしかして、
「三木さんですよ」
「…嘘でしょ」
「嘘じゃないです。俺、三木さんが来るのずっと待ってたんです。
じーちゃんがあんなに話す人なんてそうそういないですよ。
しかも俺と同じカフェオレ好きだなんて。
だから…ちょっと気になってて」
「…」
私が黙ったまま聞いていると、那智くんは申し訳なさそうに眉を下げる。
「いきなりキモいですよね、すみません…」
「いや、そういうわけじゃなくて…」
と私が何かしら言おうとしたとき、