「お疲れ。
ちょっと休憩しねー?」
 
掛けられた声に振り返ると、
コンビニの袋を手に同期の男が立っていた。

「そっちも残業?」

「いや、俺はさっき帰ってきたとこ」

「そう。
大変だね」
 
勝手に隣の椅子を借りて彼が座る。
私もデータの保存して入力をやめた。

「ツナと昆布、どっちがいい?」

「ツナ」
 
ガサゴソと袋から出されたのはおにぎりとお茶。

「おなかすいてたんだー、ありがと。
でもこれ、あなたの夜食じゃないの?」

「あ、いや、別に気にしなくていいし」
 
なんでかわからないけれど、照れてる彼。
そしてよく考えると、机の上には二本のお茶。

「……わざわざ?」

「これはその、喉渇いてたからっていうか」

「そういうとこ、好きだよ」 
 
頬にチュッと口づけし、いたずらっぽく笑って誤魔化した。