「……私が悪かったし。
晩ごはんくらいは作るけど、お風呂とかは友達呼びなさいよ」
 
ぼーっと歩いてた私は自転車に轢かれそうになったところを男友達の彼に庇われ。
彼は結局右手首を捻挫した。

罪悪感と感謝の気持ちで荷物持ちをし、彼の家でごはんを作る。

「じゃあ、私帰るから。
明日もあれだったらごはん作りに……」

「……帰るのかよ」
 
ドアを開けようとしたら、後ろから壁ドンされた。
上から降ってくる、重低音。

「利き腕だからメシ食うのも困るし、風呂だって困るんだけど」

「……だから。
友達呼んでって」
 
早い鼓動。
熱い頬。

彼に気付かれてないか気になる。

「……おまえだって、友達、だろ?」
 
息がかかる距離で、耳元で囁かれ、あたまから湯気がでそう。

「彼女だって、いいけどな」
 
不敵に笑う彼にメルトダウンした身体は、彼の左手にかろうじて支えられてた。