「いや、アポなしで来ちゃったからな。ごめん。今日はひとまず帰るよ。」
「え?」
玲の言葉に咲は寂しそうな顔を見せる。

「これから会議があるって聞いたんだ。大事な会議なんだろ?」
「・・・」
咲は何も言わないまま、玲のもとに近づく。

「今日は俺も仕事入ってないんだ。だから、咲の仕事が終わったら待ってる。ゆっくり話をしよう。」
何となく、離れることが寂しい。
また会えないような気がしてしまい、咲は玲から離れられない。

「大丈夫。時間はいっぱいあるから。な?」
玲が咲の頭を撫でながら微笑みかける。

「少し部屋から出ますね。」
気を使って真岸は社長室から出た。
その瞬間咲が玲に抱き着く。