必要な時間だった。
咲をちゃんと守るためには。
咲との未来をつかむためには。

でも、ずっと心が痛かった。
咲をのこして立つことが心配で仕方なかった。
咲を信じている。
それでも咲がどれだけ苦しい思いをしているか想像ができるからこそ、つらかった。

この場所で、咲は・・・。


「おまたせ」
その時、社長室に咲が戻ってきた。
「ごめんね、待たせて。」
真岸以外の社員がいない社長室。咲は社長としてではなく、咲として玲に話しかける。