戸惑って、逡巡する様子を見せたあたしの手のひらを、 迷いなんて振り切るように強く強く、握ってくれた。 その温度はやっぱり、ぬくい。 居心地が良くて、優しい。 この両手の手のひらで包まれたら、どんな感じなんだろう…? きっときっと、ぬくくて優しいんだろう。 「…あ…たしっ…!軽い女じゃ…ないからっ…!」 涙声は震えていて、みっともない。 ツキトにそんな女だと思われたくなかった。 .