「…手……。」 呟いたあたしを、 「…ん…?」 少し目を細めて、首を傾げる。 とてつもなく、優しい声色に、涙腺が緩んだ。 「…アヤちゃ~ん?」 困ったような、でも微笑むような声色は、反則だ。 「…少しだけ。もう少しだけ、繋いでて欲しい…」 顔をあげないまま、言ったあたしに、 「…アヤちゃんが望んでくれるなら、いくらでも?」 そっと開いた手のひらを、あたしの手のひらの横に置いてくれた。 .