そのまま無反応でいたら、 「ほら。握手、しよ?」 ベンチから立ち上がって、あたしの目の前に立ったツキトは、あたしの右手を握った。 縦に数回強めに振って、 「これでもう、友だちね?」 満面の笑みを顔中に広げた。 「アヤちゃんさぁ。午後から仕事休みでしょ?」 唐突なツキトの言葉。 「休みなわけ、ないじゃない。仕事だよ、仕事。」 .