「そんなこと、あるわけないしっ!!」 思い切り、おにぎりにかぶりついた。 ゆっくり噛みしめたら、優しい味がした。 人の温もりが残るおにぎりは、暖かい。 気がつくと、ツキトに肩を抱かれていた。 あたしの肩を左手で抱いて、右手はあたしの頭を撫でる。 「泣かなくて、大丈夫。ゆっくり食べな?」 そんなツキトの言葉に、 あぁ…あたし今、泣いてるんだ。初めて気がついた。 .