「アヤちゃん、ただいまー。」 玄関のドアを開ければ、スーツ姿のツキトがあたしを抱きしめた。 「おかえり、ツキト。」 そのままスーツの胸に顔を埋めれば、いつもの甘いコロンの香りとともに、冬のにおいがした。 これから先も、春や夏のにおいを、ツキトと一緒に感じたい。 叶うかな…? ううん。叶えるんだ。 ツキトの隣で。 .