「アヤちゃん。行くよ。」



あたしの手を引いて、歩き出したツキト。



振り向きもせずに、黙々と歩く背中。



背中が見たいんじゃ、ないよ。



ツキトと並んで歩きたいよ。



歩幅を合わせたいんだよ。



だって、いつも並んで歩いてくれるでしょう?




ツキト…。



つぶやいた声は、広い背中に吸収されてしまう。



「ツキト…、ごめんなさい…」



もう1度、囁けば。




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