助手席側のカップホルダーには、見慣れたオレンジ色が透けているカップが収められている。 あの日から2人のお約束になっているのは、一番大きなサイズを選んで、半分個することで。 ツキトはあたしに合わせていつも、ブラッドオレンジジュースを選んでくれる。 「俺も大好きになったから、ね?」なんて言いながら。 あたたかいツキトにそっくりな、オレンジ色。 それは、お月様のようでもある。 .