「もー、アヤちゃんは、どうしてそんなに不安そうな表情をすんだろーね?」



ツキトがハンドルにかけた腕に顎を乗せながら、隣のあたしを見た。



「…だって、あたしじゃ…」



言ったあたしを見つめるツキトの表情は柔らかい。



「俺が好きなの。アヤちゃんを。アヤちゃんの気持ちが俺に向くように頑張るからさ。付き合って、俺と。」



「……、」



答えをなくしたあたし。



時間がゆるりと過ぎてゆく。



あたしの表情を眺めていたツキトは、ふんわり微笑んだ。



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