俯いていたあたしの足元にふと、影が落ちてきた。



なんなんだ…あー、あれかも。『あなたの幸せをお祈りしてもいいですか?』ってやつ?



他人から祈ってもらって幸せになれるんなら、いっそのこと、全財産を払ってもいいくらいだ。



まぁ。あたしの全財産なんてたかが知れているけれど…。



「何か用ですか?」胡散臭さを滲ました声で顔を上げれば、



同い年位の男性が立っていた。



腰を折って、あたしの顔に自分の顔を近づけたその人。




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