「…ねぇ、ツキト。」



車の中に戻ったあたしとツキト。



呼びかけたら、



「なぁに?」応えてくれた声は優しく、甘い。



「あたしね?怖いんだー。」



話し出したあたしに、一度頷いたツキトは、優しい表情で先を促した。



あたしには、とてもとても大好きだった人がいた。



6年間のあいだずっとずっと大好きで、



2人で色んな所に行ったし、たくさんの時間を2人きりで過ごした。



あの人には彼女がいる期間もあってでもいつも、あたしを優先してくれた。


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