「…湊月、起きて。もう7時」
「ん…むり、まだ寝てたい…。亜莉沙も一緒に寝よ?」
「っ…!?!ちょっと、離して…っ!」
ベッドで寝ている湊月に引っ張られ、そのまま引きずり込まれてしまった私。
夜久亜莉沙。高校1年生の16歳。
そして、私を離さないとでも言うようにぎゅっと抱きしめてくる男は夜野湊月。
同じく高校1年生。
気がついた頃には既に一緒にいた、いわゆる幼なじみ。
無駄に顔が良く、昔から女子によくモテる。
……私は湊月のお母さんじゃないっての。
「いい加減起きないと遅刻する。私、先行くから」
体だけでかいこの幼児みたいなのに付き合ってられるか。
長く、力強い腕を引っペがしてベッドから降りる。
「…亜莉沙、待って。すぐ準備するから、置いてかないで…」