全てが終わると,目がしぱしぱした。

無理して目を開けていたせい。

でもそれも,毎年生徒が休むだけの時間と化している閉会式の間に治った。

それも終わって,とうとう生徒に自由が与えられると,弘と健が慧の元へと走り出した。

暁くんもその後ろをマイペースに歩いていて,私も慧の所に向かおうと足を向ける。

ーパシッ



「陽菜?」



陽菜は無言で首を左右に振った。

行くな,ということだろうか。

意味がないとも思えないので,私はそれに従う。



「二位かぁ。惜しかったよね」

「まぁ,結構健闘したほうじゃない?」

「おつかれ」

「うん。おつかれ」

私は代わりにそんな話題を陽菜にふった。

そう,慧は一位だったけど,総合的な点数で緑軍は負けてしまったのだ。

そうこうしていると,暁くんと慧が移動しているのが見えた。

慧の膝から血が出ていて,砂も沢山着いていたから,水道に行くのかもしれない。

何故暁くんもついていくのかは分からないけど,ただの付き添いかもしれない。