お昼の時間は,彼氏と過ごす陽菜とはお別れ。

言ってはなんだけど,私はお弁当を片手にぶら下げて,仕方なくいつメンを探した。



「おっ愛深! 丁度探してたんだよ。俺らと食う?」

「うん。一緒させて」

「こっち」



途中で弘に会って,受け入れてくれるどころか探していたと言う。

やっぱ友達ってあったかいなぁ。

私はほくほくとした気持ちでついていく。



「慧,次もうラストだね。選手リレー,頑張ってね」



皆それぞれお弁当を食べながら,そんなことを言った。



「うん。頑張る」



体育祭のラストを飾る目玉行事,選手リレー。

それはクラスごとに早い人が男女2名ずつ選ばれて行われるもので,あの日本気で走っていた慧はやっぱり早くて選ばれていた。