「……ごめん。恋愛的な意味で言っているのなら……私は,暁くんがすきだから」

「うん。知ってたよ」

「うん,ごめんね」



私達の間に,どこかさみしい空気が流れる。

それをぶち壊したのは,我らが担任。



「さっきのはそう言うことかよ。俺の授業中に青春しやがって」

「はっしー。シー,シー!」



そう言えば体育科のこの担任の名字は橋本だったと健の声で思い出した。



「しかし負けたのにコクるのは反則じゃねぇの?」

「いいの。あれは勝てたら良かったけど,なにも賭けてないから。それに気持ち伝えるのは悪くないって言ってたもん!」

「あぁ? 誰が」



私……だ。



「愛深が!」

「はぁ? 青野が? 意外だな。わざわざ口にするタイプとは思わなかった。でも,お前が好きなの青野だろ? なんで青野がそんなこと……」

「あーもう! いろいろあんだよ2人には! はっしー自分でも言ってたろ? 授業進めて! 皆待ってるから」



弘はもうまとめ役になりつつあって,大変そうだ。

……いつもありがとう,弘。