タユの歌声が村中に広がる中、村では大人達全員が長老のもとに集まり、緊急会議が開かれていた。長老がみなを呼び集めたのだ。


「みなに集まってもらったのは他でもない、タユのことについてだ。村のみなには隠しておったが、タユのスカイブルーの髪といい、タユは世を救う救世主なのだ…」


部屋中からどよめきが起こる。


「そこでだ。私の占能力が久しぶりに機能した…


今日の夕刻、魔界の怪物がタユを殺しにやってくる。」


「え…!?お父様、嘘でしょう!?」
「父さん…?」


タユの両親は悲痛な叫び声をあげた。


「よく聞きなさい。タユは確かに救世主の存在だ。しかしまだタユは幼い。だから力を使うことがまだできないのだ。


そこで私たちは世界を救う救世主であるタユを守らなければならないのだ。


…たとえ命をはってでも。」