その場から逃げてるように離れた。



どうしよう、泣きそう。



暁先輩の笑顔が見たいって思ってたのに。



思い出しては浮かぶ、生徒会で見た暁先輩の表情。


あんな顔…

絶対私には見せてくれない。


そう思ってしまった。

上がって来た階段を駆け下りる。

どこに向かってるか自分でもよくわからないけど、走って早くどこかへ…


行かなくちゃいけない気がした。


どこか、どこかへ…っ

「わ、由夢っ!」

「!」

ダダダダッと駆け下りた階段の踊り場で危うくぶつかりそうになった。勢いよく駆けて来たから。

「凛空ちゃん…」

「由夢…?」

私の顔を見て眉をひそめた。

「どうした…?」

「……っ」

「何かあったの?」

「…凛空ちゃんっ」

我慢してたのに。







こぼれないで、涙。