「あれ、それどうしたの?」

パクッとチョコクリームメロンパンにかぶりつく私を見て寧々が聞いた。

「凛空ちゃんが買ってきてくれたの!寧々もいる?」

いつものように凛空ちゃんの席を借りて寧々とお昼の時間、凛空ちゃんのイスに座った寧々が後ろを向いて私の机を使って食べる。

「私はいいや、クリームパンあるし」

「寧々、クリームパン好きだよね!いっつも食べてる!」

我慢できなくてお弁当より先にチョコクリームメロンパンを食べてしまった。

おいしい、めちゃくちゃおいしい、中に入ったチョコクリームがとろっと溶けてハイパーおいしい…!

「有末くん…」

「ん?」

「わざわざ買ってきてくれたんだね」

「うん、ね。凛空ちゃんいい人だよね!」

話しやすいし、気が利くし、フォロワー3万人いるし、凛空ちゃんのこと嫌いな人はいないんじゃないかって思う。いつも楽しそうだし、声も大きいから自然にみんな集まってきちゃうんだよね。

「そっかな」

「え?」

「有末くんいい人だけど、そんなことするのは由夢だからじゃないの?」

「………?」

じぃっと寧々が私を見てる。


由夢だからじゃないのって…


え、それはどうゆう…?

「あ、同じ生徒会だから?まぁよく会うしね、LINEもするし、仲良くしてくれてるのかも」

「………。」

「ありがたいよね」

「…そうだね。有末くんっていい人止まりって感じではあるよね」

「凛空ちゃん先輩たちにも可愛がられてるもん、羨ましいー」

誰にでも分け隔てなく変わらない凛空ちゃんはみんなに愛されてる。初めて話した時からずっとそのまま、それが凛空ちゃん。

私がチョコクリームメロンパンが食べたいって何気なくした話もよく覚えてたよね、そーゆうところが凛空ちゃんらしい凛空ちゃんのいいところなんだろうなぁ。
私もそうゆう人になれるようがんばろ、そう思いながらチョコクリームメロンパンを食べた。