すごく恥ずかしい……っ。
「……俺も、同じこと思ってた」
え……?
「凌玖先輩も……?」
「学年やクラスが違って、学園でも会える時間は限られてくるけど、時計は身につけていられるし、何度も見るから。そうじゃなくても……」
言いかけて、わたしの両手を優しく包んで微笑んだ。
「いつでも歌桜のこと想ってるよ」
わたしの気持ち……届いてるんだ。
安心できる声に頬が緩む。
わたしも、凌玖先輩のこといつも想ってます……。
「歌桜」
名前を呼ばれて目を合わせたら、頬に手が触れた。
包むように優しく撫でてくれる。
「キス、してもいい?」