ニコッとスマイルを見せて、キッチンに戻っていった。
いつもは女子高生や若いお母さんを中心にたくさんのお客さんでにぎわっているけど、いまはこの空間に凌玖先輩とふたりきり。
なんだか緊張しちゃうな……。
「いつのまに予約してくださってたのですね」
「歌桜と付き合ったら、記念日はここで過ごしたいと思ってたんだ。俺の夢がひとつ叶って嬉しい」
「夢だなんて……! わたしも、好きな人とこのお店に来るのは夢でした」
大好きなお母さんとお父さんの大切なお店だから……。
「一緒に夢が叶ったね。歌桜といろんな夢を叶えていきたい」
凌玖先輩としたいことはたくさんある。
ご飯食べたり、お出かけしたり、思い出をたくさん作りたい。
「ぜひ……っ」