案内係としてやってきたお母さん。

わたしをひとりのお客さまとして案内してくれて、テラスが見える窓側の席に移動した。

凌玖先輩と向き合って座ると、ドリンクのメニューを開いてくれた。



「本日はコース料理となっております。順にお持ちいたしますのでお待ちくださいませ。まず、お飲みものからお伺いいたします」



一覧には見慣れた甘い飲み物が載っている。

いつもはわたしが案内しているのに、今日はお客さんになって不思議な気分。



「じゃあ……ミルクティーお願いします」

「私はホットコーヒーのブラックで」



選ぶと凌玖先輩も頼んだ。



「かしこまりました。ただいまお持ちいたしますね」