喜んでもらえたり、
また行きたいと思ってもらえたり、
特別な日の思い出になったり……。
そんな場所に、わたしもなったらいいなって思ってた。
それを大好きな人に思ってもらえるなんて。
「ありがとうございます。もう幸せです……っ」
自然と頬が緩んじゃう。
嬉しさがどんどん込み上がってくるよ。
なんて思ってたら、凌玖先輩は愛おしそうにクスッと笑った。
「これで満足しないで。歌桜を招待したのはこれからだから」
スッと空いているほうの手のひらを前へ伸ばした。
向けたのは、木製でできている入り口のドア。
よく見ると、扉にプレートがあった。
うん……?
なにか書いてある……?