律君…


そんな甘い声で言わないでよ。


『は、話したくないよ。つまらない話だから。そもそもそんなこと興味ないくせに』


ちょっと冷たく言ってしまった。


『興味とかで聞いてない。俺、他人のプライベートを興味で聞くほどバカじゃないと思ってる。ただ、夢芽を苦しめたやつのことが許せないだけだ』


少し顔を強ばらせる律君。


『苦しめたって…どうして?私、離婚の理由は誰にも言ってなかったけど』


あの忌まわしい過去は、幸斗と明音にしか話してないのに…


『彼氏作りたくないなんて酷い目にあったからだろ?それくらいわかる。浮気か暴力、モラハラか…』


確かに興味本位じゃなく真剣に言ってくれてるのはわかる。


私のこと、いろいろ考えてくれてるってこと?


ううん、人として優しいからだよね。


誰のことでも心配出来る人なんだよね…律君は。


私だから心配してくれてるなんて、間違っても自惚れちゃダメだから、絶対。