『ごめん…明音。私、全然気づかなかったよ』


『隠すの上手いやろ?まあ、実際、シェアしてても幸斗とは何もないし、沙織もいてるから。ずっと友達のままや』


笑ってても、その表情には明音の寂しい思いが溢れてた。


『幸斗、気持ちは女の子だから…私ともずっと仲良くしてくれて、周りのどんな女子達よりも女の子だったから。デリケートで優しくて。私は幸斗のおかげでずいぶん助けられた。本当に…人間として素晴らしい人だよ』


うん、うんって、うなづく明音。


『だから、明音が幸斗を好きになる気持ちはわかるよ。すごく…わかる』


私も親友として幸斗が大好きだから。


『いい人過ぎるよな。でも、幸斗はずっとアイドルの清野遥輝のファンやし、私なんか問題外やから。ただの友達としか見てもらってないし、彼女になんかしてもらえる訳ないから』


『明音…本当にごめん。幸斗は女の子は好きになれないって昔から言ってるし、私にはどうすることも…』


胸が苦しい。