『…私の好きな人』


『明音の好きな人？ずっといないって言ってたよね？』


『…うん。あれ、嘘やねん』


気まずそうな顔をする明音。


『嘘…って？』


『ごめんな。そやから今日言おうと思って…この世の中で夢芽にしか言わへんつもりやけど』


私は、息を飲んでうなづいた。


すごくドキドキする。


『私な…幸斗のこと好きやねん』


え…


う、嘘。


『ほ、本当に？』


心臓の鼓動が激しくなる。


『うん、学生時代からずっとな』


『そう…だったんだ…知らなかった…』


この告白は私にとってかなりの衝撃だった。


どうしてだろ、どうしてわからなかったの？


ずっと2人とも近くにいたのに。


『幸斗と夢芽は幼なじみやしな…好き同士ちゃうのはわかってたんやけどな。なんか言いにくくて。改めて言うのも照れるし。大学卒業してどうしようか悩んでた時にシェアに誘われたから…もう、めっちゃ舞い上がってな。今に至るわけ』