『大変お待たせして申し訳ありませんでした』


席についたお客様に私も頭を下げる。


『ま、まあいいわ。このお肉がジューシーで美味しそうだし。あなたここの店長さん？』


『はい、店長の速水と申します。お客様にそう言って頂けたらこちらも大変嬉しいです』


これ以上ない優しい言い方。


『そ、そう。速水さんっておっしゃるのね。じゃあ、また寄らせてもらおうかしらね』


ご夫人は顔をほころばせて言った。


ちょっと…照れてるような感じだ。


いくつになってもイケメンには弱いのが女性なのかも知れない。


『本当にありがとうございます。Bliss BURGERは、これからもお客様に美味しく召し上がって頂けるよう心がけてまいります。では、どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。失礼致します』


速水店長は、丁寧な挨拶と深いお辞儀をして爽やかに立ち去った。