そんなこと…


そんな可愛い顔で言われたら…


『冗談…だよね』


『僕は本気です。今日こんな近くであなたを見て、ますます好きになりました。ほらこんなにドキドキしてる』


遥輝君は突然僕の手を掴んで、自分の胸に当てた。


あっ…


も、もう…ダメだ。


ノックアウト寸前。


『す、すごいドキドキしてる』


『恥ずかしいけど、心臓が爆発しそうです。ライブより緊張してる』


ずっとずっと見てたから、僕が遥輝君を好きなことが伝わって、遥輝君も…


僕を好きになってくれた。


こんな奇跡…あるんだ。


胸が熱くて、僕の心臓は遥輝君の何倍も何十倍も高鳴ってるよ。


それから…


僕達は秘密の恋人同士になった。


誰もいなくて寒くて寂しかった部屋には、今は時々遥輝君が来てくれる。


しばらく頑張ってなかった料理もまたやり出したんだ。