『まあでも、やっぱり寂しいな。夢芽ちゃんは僕の大好きな人だったからね。僕は夢芽ちゃんをこの人ならって思えたけど、でも、君は律のことを「この人なら」って思えたんだね…だったら…仕方ないか』


店長の声が切なくて、胸が痛くなった。


『俺、夢芽のこと、絶対大切にします。店長に心配かけないように死ぬほど大事にします』


律君も頭を下げてくれた。


『律のこと、俺は信頼してるし、お前なら夢芽ちゃんを幸せに出来る。他の誰かだったら夢芽ちゃんを諦めなかったけど、律には…絶対に勝てないから。俺は社長の元で修行して、しっかり仕事を頑張っていくよ』


律君には勝てないなんて…


店長には店長の良いとこがたくさんあるのに。


『俺…速水店長のこと尊敬してます。いつかは本社で一緒に働きたいと思ってます』


『そうだな。でも、律はすぐに役員だし、いつかは社長になるんだから。僕なんかすぐに追い抜かれるよ』